統一原理は、世界基督教統一神霊協会(統一教会)の信徒が学ぶべき八大教材教本の一つであり、信徒は神のみ言として信仰の中心に置いています。全人類がこの統一原理を学ぶべきだと考えています。統一原理のガイダンスを紹介します。
統一原理[2]-序論・統一原理を学ぶ理由その2
二.人間
現実世界のあらゆる問題の出発点であり、解決の出発点は、すべて「私」にあると考えます。言い換えると、「私」の問題が解決しない限り、現実世界の問題解決はありません。
1.「私」とはどんな存在?
人間は「心」と「体」から構成されますが、人間の方向を決めるその心は、善を求める本心がある一方で、悪に染まりやすい邪心があることがわかります。体が本心のおもむくままよい行いをすれば、喜びが増しますが、体が邪心に突き動かされ、悪い行為を行ったときには悲しみや悔いる結果の基になります。
このように「私」は、善と悪という二つの相反する目的の中にさいなまれる、矛盾した存在と言えるでしょう。矛盾した存在を突き詰めれば破滅に陥らざるを得ません。「私」自身がこのような”破滅”状態であり、堕落した結果、無知に陥り、葛藤・対立・闘争を繰り返しています。
これは「私」個人の問題が何も解決されていないことを現します。「私」個人の問題が解決されていないために、世界の問題も対立・闘争を繰り返しています。これらが解決されなければ、世界の複雑な問題もうまく解決の目処が立たないのではないでしょうか。
2.堕落人間(1)
堕落の結果、無知に陥り、葛藤・対立・闘争を繰り返している人間は、本来持っているべき神の「本性」と「理想」を喪失してしまっていると言えます。神の「本性」とは、人間は神の子であるという本然の人間が備えていたものであり、神の「理想」とは、理想家庭・理想国家・理想世界を夢に描く神の創造理想です。
3.堕落人間(2)
堕落人間は、心霊面でも知能面でも無知に陥っています。
心霊面での無知とは「霊的無知」とも言うべきものです。例えば、神様の実存、神様の心情、神様のみ旨を知らないこと。人間がなぜ生まれ、どこに行こうとしているのか、その人生の目的がわからなかったり、死後の世界についてわからないこと、善悪の問題についてはっきりした基準を持たないこと、などといったことがあげられます。
知能面での無知とは「肉的無知」とも言うべきものです。例えば、物質世界の根本が何であり、自然法則について知り得ないこと、ということがあげられます。
人間の歴史の中でこの「霊的無知」を克服するために役割を果たしたのが「宗教」です。宗教は本質世界の探求をしてきました。一方、「肉的無知」を克服するために役割を果たしたのが「科学」です。科学は物質世界の探求をひたすら行ってきました。
今や、その本質世界を探求してきた宗教と、物質世界を探求してきた科学とが互いに近づきつつ、一つになろうという時代圏に入っています。
三.宗教と科学
宗教と科学とが互いに近づき、一つの同じ課題として解決しようというとき、それぞれの役割を見直してみましょう。
1.宗教
哲学の本来のルーツは、神を証する学問として始まりました。また、宗教は、神に侍って生きる生活を明らかにするものとして歴史の中で培われてきました。
宗教がなぜ必要か考えてみましょう。人間が堕落しなかったときの本然の世界を考えると、宗教は不要なはずです。人間が堕落した結果、宗教が必要になりました。
では現実の宗教はどうなのでしょうか。
(1)現実の宗教
現実の宗教は、責任を果たせていません。それは次のようなことを見ても明らかです。
来世に重点を置きすぎたり、現実の利益を追求したり、結局はどちらかに偏りすぎてしまい、現実の物質世界の中に安住して抜け出せていません。
また、教理が未整備でさまざまな疑問点に答え切れていません。そのため、現実の問題を解決できずにいます。
さらに、神の摂理を知り得ません。神の摂理を知らないので天運とは無関係に活動しています。
(2)キリスト教
キリスト教は、人類救済を標榜してこの2000年の間、世界宗教となりました。
しかし、現在のキリスト教は、宗教の根本使命を喪失しており、役割を果たせていません。宗教の根本使命とは次のようなことです。
●心の無知を悟らせ、神の摂理がわかるようにする使命
●メシヤを迎えるための新婦の役割を果たす使命
●「地の塩」「世の光」(マタイによる福音書5章)の使命
●キリスト教の持つ宗教(ローマ人への手紙11章)の使命
※メシヤが来て、偽りのオリーブの木を切り、真のオリーブに接ぎ木する使命
キリスト教の宗教としての使命で言えば、宗教を信じ宗教で救いを受けるのではなく、来られたメシヤを信じ侍り、真の愛・祝福で救いを受けることが、本来の役割になります。
さらに、キリスト教の本来の役割を失っている点は、次のようなことです。
●理念が未整備で、実践力・説得力を喪失している
●儀式と制度の宗教になっており、神の摂理がどこに向いているか方向感覚を喪失している
●生活の方便や手段となり、神の理想実現をおろそかにしている
●初代教会精神は既に失われ、宗教改革の理想と勢いを失っている
2.科学
一方の科学のことを考察してみましょう。
科学の研究対象は、有形の世界から徐々に無形の世界へと移りつつあります。素粒子やエネルギーなど、もはや人間の目に見えない世界が研究対象になっています。
しかし、科学のさまざまな分野で、今大きな壁に突き当たっています。たとえば脳死を死とみなすかどうかという問題、生命の定義について、明快な解答が出ていません。宇宙についても、これまで明らかになった元素の組成が宇宙全体のわずか4%であり、残り96%は暗黒物質や暗黒エネルギーといった正体不明であることが、ここ数年でやっとわかってきました。
このように宗教的な価値観や世界観を無視して、科学が発達したため、科学は人類の生活を便利にすることに貢献してきましたが、さまざまな分野で大きな壁に突き当たっていることが、問題の深刻さを浮きだたせています。
(統一原理紹介[2]終わり)
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